残念ながら「真のエリート」層が確立していない日本では、私立小学校側の本音はともかく、実際にお受験をさせる親には、子どもに「安全な道を歩ませたい」との願いこそあれ、「エリートとして育てよう」という気持ちや意識はほとんどないように思われる。庶民からすれば莫大なお金とエネルギーを使ってお受験させながら、それが「いい大学に入れる」「いい会社に勤める」という目的のためだけでは、あまりにさびしくはないだろうか。優れた家庭環境と教育環境に恵まれ、少なくとも五歳の時点では優れた資質を持っていると判断されたのであれば、ぜひその能力を社会貢献に役立てて欲しい。親も学校もそこを強調したらどうか。親は二流企業のサラリーマンだけではなく、本当の意味でのエリートが社会に貢献するための、さまざまな道を示してやる義務があるのではないか。具体的にどんな職業を選ぶかは子どもの選択に任せるとしても、こんな道もあるのだと可能性を示してやらねばならない。それこそが「子どもの可能性を広げる」ことに通じるのではないか。お受験で開ける目先のバラ色の未来ばかりをつい見てしまいがちであるが、もっと長く深い目で子どもの将来を考えたうえでお受験に取り組めるのならば、それはお受験による弊害などくつがえす、大きなメリットを得る機会になるだろう。
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